K::memo
2002年01月30日(水)
■ 宮部みゆき/
とり残されて (文春文庫)(宮部 みゆき)
ミステリーの短編集。幽霊、夢と現実の狭間、時空をテーマにした物語などがあり、SF的な色彩が濃い内容となっている。どの物語もテーマ自体はさほど辛辣な内容ではないといえるが、プロットの組立と語りが冴え引き込まれる内容となっている。
多くを語るとネタをばらす事になるので避けるが、肩があがらない野球選手の物語が特に気に入った。時空を超える意識の強さを幽霊という手段と現実的にこの野球選手がかかえる問題とのリンクに圧倒された。また、この物語の登場人物が善意に基づいて行動しているという点も読後に爽快感が得られたといえる。
この短編集にあるようなSF的なミステリー、特に時空を超える物語が後の「蒲生邸事件」に繋がっていったのだろうか。この分野に関しても著者の今後の作品が期待できる。
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